書評 21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考                ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 2019年

歴史

現代に生きる人に向け、全部で21のテーマに分けて論じている。
これまでの歴史や今まで蓄積されてきたデータを基に現在、もしくは未来を考察している。
本書の特徴であり他の書籍と異なる点は、著者の膨大で圧倒的な知識と卓越した視点であろう。

全てが今すぐ役立つ知識という訳ではないが、どれも気づきを与えてくれる内容であり、知的好奇心を満足させてくれる内容である。

極論になるかもしれないが、人間とは何なのか、人間の幸せ(豊かさ)とは何なのか、という問いを投げかけられているように感じる。またそれは、現在から今後の未来に予想される、データ社会、AI社会、アルゴリズム社会に対する警鐘ともとれる。人は利便性を求め、その利便性がもたらす生活を得ることで、何を失うのか?

1 幻滅――先送りにされた「歴史の終わり」

2 雇用――あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
3 自由――ビッグデータがあなたを見守っている
4 平等――データを制する者が未来を制する
5 コミュニティ――人間には身体がある
6 文明――世界にはたった一つの文明しかない
7 ナショナリズム――グローバルな問題はグローバルな答えを必要とする
8 宗教――今や神は国家に仕える
9 移民――文化にも良し悪しがあるかもしれない
10 テロ――パニックを起こすな
11 戦争――人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
12 謙虚さ――あなたは世界の中心ではない
13 神――神の名をみだりに唱えてはならない
14 世俗主義――自らの陰の面を認めよ
15 無知――あなたは自分で思っているほど多くを知らない
16 正義――私たちの正義感は時代後れかもしれない
17 ポスト・トゥルース――いつまでも消えないフェイクニュースもある
18 SF――未来は映画で目にするものとは違う
19 教育――変化だけが唯一不変
20 意味――人生は物語ではない
21 瞑想――ひたすら観察せよ

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